競馬を当てるのはとても簡単! 勝ち組が実践するたったひとつの戦略

競馬で当てるのは簡単です!

皆さんは難しく考えてますが、実は「競馬を当てるのは簡単」なんです。

なにぃ!?いったいどんな予想法を使っているのだ?

と深読みする方もいますが、難しい理論も特別なアプリも必要ありません。

だって、全通りの馬券を買えば、絶対当たるからです。
的中率は誰がやっても100%。宝くじのように大当たりの出た売り場に並ばなくても、どこの場外馬券売り場でも当たり馬券は売ってます。

しかし、競馬は「当てるのは簡単」ですが、「儲けるのが難しい」のです。

ご存知の方も多いと思いますが、競馬に限らずすべての公営ギャンブルは、控除率が決められており、馬券を買った瞬間に価値が目減りします。競馬の場合、平均で25%の控除率が設定されているので、100円の馬券を買った瞬間にその価値は75円になります。


しかし、あなたが買った馬券の額面を見ても、購入金額の通りに印刷された馬券のはずです。

では、消えた25円はどこにあるのか?
それはオッズ・払戻金から引かれているのです。

たとえば、100円で馬券を購入するとします。

  1. 額面が75円と書かれた馬券で、買えば必ず75円が返って来ます。
  2. 額面が750円と書かれた馬券で、10人に1人だけが750円を受け取れるとします。

あなたはどちらの馬券を買いますか?
おそらく10人中10人が、②の馬券を購入することでしょう。①の馬券は必ず75円が返ってきますが、必ず25円損する馬券です。はじめから損することがわかっていて馬券を購入する人はいないでしょう。

しかし、両者はどちらも同じ意味です。100円の馬券の価値は75円に減るのです。
それでも馬券を買うのは、100円の馬券を買えば、それ以上の価値になるかもしれないからです。

競馬を難しくしているのは、ここに当たり外れの問題が絡んでくるためです。
しかし、当てるだけなら全部の馬券を買えば、必ず100%当たるのです。

絶対のない世界で、これだけは「絶対」といえる法則です。

全通り買いで利益を出す

全部買えば当たる。
しかし、全通りの馬券を買えば、儲からない。
このジレンマを解消するには2つの戦略があります。

戦略 その1 「払戻額>購入額を狙う」

競馬では、払戻金が1万円を超えることを「万馬券」と呼びますが、積極的に万馬券を狙っていけば利益が見込めます。実際に著者が経験したケースでは、枠連36点全通りを購入し、2万5000円を超える払戻金があり、的中率 100%で利益を出すことが出来ました。

ただし、これはレアケースです。

下記にそれぞれの券種を、「全通り買い」した場合に必要な買い目点数を載せておきます。

頭数8頭9頭10頭11頭12頭13頭14頭15頭16頭17頭18頭
単複89101112131415161718
枠連28282828282828282828
枠連※29303132333435363636
馬連28364555667891105120136153
ワイド28364555667891105120136153
表1.券種別買い目点数表

注意:枠連で※印のついているものは、ゾロ目を含めたものです

全通り買いをして、賭け金以上の払い戻しを受けられれば利益が出ますが、必ず的中しても、常に利益が出るはずがありません。そんな美味しい話があると、みんなが飛びつきます。実際には、全通り買いをずっと続けると、控除率の25%が引かれ、回収率は75%に収束します。100円の馬券が75円になっているという話ですね。

この戦略はあまり現実味がありません。

戦略 その2 「利益になりそうなレースを狙う」

次の戦略は全通り買いしても、購入額以上の払い戻しが期待できるレースだけ購入する方法です。
言い換えると、高配当馬券が期待できそうなレースのみを購入するということで、必然的に人気サイドの馬が着外になりそうなレースを選ぶことになります。

人気薄の馬が来そうなレースを選ぶ作業は、多くの人が無意識に実行していることです。

たとえば、1〜3番人気馬の単勝オッズを見て、混戦レースなのか、強い馬に人気が集中しているレースなのかを判断してませんか? なにか事情があって当日のオッズが確認できない場合を除き、ほとんどの人はレースの払い戻しパターンを予測します。では、払い戻しパターンを表にまとめてみましょう。

No種類説明
11強1番人気馬が圧倒的な支持を集めており、ほとんどの人が1番人気馬から馬券を購入しようとしているレース。単勝が2倍前後のことが多い。
2三つ巴3頭の馬の実力が拮抗していると判断され、人気を分け合っている状態
3混戦抜けた実力の馬が不在で、上位勢が混戦の状態。上位のオッズが割れている状態。
4普通上記に含まれない特徴のないレース
表2.払い戻しのパターン

利益になりそうなレースのパターンを選ぶなら、No 3「混戦」を選ぶ人が多いのではないでしょうか?

しかし、こういうレースは馬券を購入する馬が分散している分、思ったよりも配当がつかないケースが多いのです。最も高配当が出やすいパターンは、No 1「1強」です。圧倒的な支持を集めた1番人気馬が4着以下に沈むと、とてつもない配当が飛び出すことがあります。1番人気以外の上位馬で決まった場合は除きますが。

いずれにせよ、購入したレースが利益になるかどうかは、運に左右されます。
全通り買いで、利益を出すのはハードルが高そうですね。

不要な馬を削る

すべての馬券を買えば、必ず当たるけど、利益を出すことが難しいことは理解してもらえたと思います。では、競馬で利益を出すにはどうすればよいでしょうか?

それは、「不要な馬を削り、買い目点数を減らす」ことです。

そんなの誰でもやってるよ!

そう思われた方は、ちょっと勘違いしています。「買い目を削る作業」と、普通の競馬予想によくある「買い目に加える作業」は似ているようで違う性格のものです。

買い目に加える予想とは?

買い目を削る予想を説明する前に、買い目に加える予想について説明をします。
買い目に加える予想は、おそらくほとんどの方がしている競馬予想の方法です。

簡単に説明すると、馬券の中心になる「軸馬」を選び、軸馬から流す「相手馬」を加えていきます。
「流し馬券」や「フォーメーション馬券」を利用する人は、このやり方で馬券を組み立てています。

相手馬や軸馬の頭数は、自然とあなたの予算に合わせて絞り込んでいるはずです。
1頭軸の場合もあれば、2頭軸にしている場合もあるでしょう。相手馬の頭数も馬連なら4〜5頭。三連馬券なら7~8頭ぐらいが多いのでは?

買い目に加える予想スタイルは、積み木を積み上げる作業に似ています。

買い目を削る予想とは?

「流し馬券」や「フォーメーション馬券」が「買い目に加える予想」なら、買い目を削る予想は、中心になる馬を絞り込みません。軸馬と相手馬を区別せず、同格に扱います。

馬券に例えると、ボックス馬券が一番近いでしょう。
この場合、馬券の購入対象になる馬に絞り込み、該当馬のボックス馬券にします。
ボックス馬券なので、軸馬と相手馬の区別がなく、それぞれの馬が購入している馬券の着順に入れば的中します。

馬連のボックスであれば、購入馬の2頭が1・2着に入れば的中です。

買い目を削る予想は、最大18頭の出走馬から不要な馬を削ります。
買い目に加える予想が積み木を下から積み上げていく作業なら、買い目を削る予想は、大きな積み木の山から不要な積み木を取り除き、ブロックを作っていく作業になります。

買い目点数を絞る心理

「競馬予想」という見方をすると、買い目に加える予想スタイルの方が、より効率的で洗練されているように見えます。多くの人がボックス馬券ではなく、流し馬券やフォーメーション馬券を選ぶのもこのあたりの影響があります。

特に三連複、三連単の登場以降、フォーメーション馬券が多用されるようになりました(フォーメーションは三連馬券登場時にできた買い方ですが)。


理由は単純で、買い目点数が増えるほど、賭け金が増えるためです。

三連系の馬券は、馬連やワイドに比べると全通り買いに必要な買い目点数が増えるため、外れた時の事を考えて、買い目点数を抑えたいという意識が働きます。

特に昔から競馬をしている人ほど、馬連やワイドよりも賭け金が多くなるため、無意識のうちに点数を抑える傾向があります。これは競馬の1レースの予算を決めているためで、たとえば1レース3,000円の予算の人は、買い目点数の増える三連系は3,000円の予算でなるべく大きな払戻金を受けようとするため、買い目点数を絞ります。

その結果、軸馬からの流し馬券やフォーメーション馬券が重宝されるようになりました。

馬連やワイドしかない時代は、ボックス馬券は当たり前のように使われていました。

4頭選んでボックス馬券を買えば、馬連の買い目点数は6点です。すると、3,000円の予算でも1点あたり500円賭けられます。例え、10倍の低い配当でも、10.0倍×500円=5,000円の払い戻しになり、2,000円の利益になります。仮に、馬連の平均配当である約5,866円の馬券が的中すれば、払戻金は29,300円になり、26,300円の利益になります。

この予算感が遊びで競馬をするには手頃という印象を与えます。

しかし、現在は三連複、三連単を買えば、非常に大きな払戻金を受けられる可能性が示されました。その結果、馬連よりも高い払戻金が得られる可能性がある、三連複や三連単に流れたのです。
つまり、人々の射幸心をくすぐられ、「どうせ見るなら大きな夢」とロマンの方に流れるのは仕方がないことでしょう。誰だって100円が5,000円になるよと言われるより、100円が10万円になるよと言われれば、後者にロマンを感じるものです。

馬券の券種別の売上シェア推移

出典:JRA事業報告書(令和3事業年度)

それを受けてか、馬券の種類別の売上は、三連単が最も多く、次に三連複、馬連と続いています。もちろん、三連単の売上が多い理由は、馬券の組み合わせ点数が多く、必然的に馬券を多く買わなければならないことにも原因があります。

それでも、出た当初は物珍しさから馬連の代わりに購入されていたワイド馬券などは、3頭すべて的中させても馬連1点の払戻金を下回ることもあり、配当の少ない馬券は避けられ、一時大きくシェアを落としました。近年は保険的な意味合いか、ワイドの売上は上昇傾向にありつつあります。

的中させつつ利益を出す戦略とは

競馬は全通りの馬券を買えば、必ず的中する。
しかし、それでは儲からない。

このジレンマに対しての答えは…

各券種ごとの損益分岐点を理解すること

損益分岐点とは、会計用語で「必要なコストとそれによって得られる利益が逆転する地点」のことを指します。競馬におけるコストとは、馬券を購入するのに必要な費用のことです。

競馬における利益は、馬券の的中時に得られる払戻金のことです。

買い目を加える予想がかかえる問題

ここで先ほどの「買い目を加える予想」と「買い目を削る予想」を思い出してください。
買い目を加える予想では、あまり賭け金を増やしたくないという心理から、最初に軸馬を数頭決め、そこから流す相手を選びます。ここでは「損をしたくないから買い目を削ろう」という意識が働いています。それでも的中時の利益が欲しいので、1点当たりの賭け金を増やそうとします。

買い目を加える予想の問題は、競馬予想というプロセスと、馬券の組み立てというプロセスがごちゃごちゃに混ざり、自分の選んだ軸馬に必要以上に固執する点です。最初はどの馬もフラットな視点で見ていますが、一度馬券(オッズ)を意識し、軸馬とした時から、その馬が馬券になる理由を頭で勝手に思い浮かべ、どんどん正当化してしまうのです。

これに陥ると、的中は運任せになります。

買い目を削る予想で損益分岐点を見つける

それに対し、「買い目を削る予想」の場合はどうでしょうか?
発想としては全通りの馬券を購入すれば必ず的中するが、それでは儲からない。
では、どの馬(馬券)を削っていくかとなります。

両者は似ているようで、根本の発想がまったく異なります。

買い目を削る予想の場合、最初に必要な予算の見積もりが必要です。損益分岐点における「必要な費用」のことです。わかりやすく、馬連と三連複を例に話をします。

競馬のフルゲートは18頭であり、馬連は153点、三連複は816点の組み合わせがあります。
そして、馬連の平均配当は5,359円、三連複の平均配当は20,442円です。
(注: 2011年~2021年 9頭立て以上のレースの集計値)

馬連で53点、三連複で204点の買い目を購入して、平均配当を超えれば収支はトントンになる計算です。それぞれ馬券ごとの購入割合は、馬連で34.6%、三連複で25.0%になります。それぞれ発売されている馬券の3割近くを抑えているので、的中する確率も当然高くなります。

もちろん、購入対象の馬が人気馬であれば、この数字よりも的中率も上がります。

人気馬をふくめれば、的中率は上がりますが、反対に回収率(払戻金)は下がります。
この辺りのバランスをどうするかは、この記事の焦点ではないので割愛しますが、要は「的中率」を意識して「払戻金」の目標値を設定することです。

わかりやすく、馬連と三連複のボックス馬券を購入したとしましょう。
8頭の馬を選んで、それぞれボックス馬券を作ると、馬連で28点(18.3%)、三連複で56点(6.8%)の買い目点数になります。カッコ内の数字が、それぞれの券種の購入割合です。

購入点数の割合で見ると、先ほどより的中率が下がっているように見えますが、18頭中8頭の馬を抑えるということは、出走馬の44.4%。約半数を抑えていることになります。

実際の買い目点数はもちろんのこと、出走馬のうちどの程度の割合を買い目に含めているかは、馬券の当たりはずれに影響します。今回の例だと、18頭中10頭の馬を削ったことになります。

馬単や三連単のように、着順で的中が変わる馬券は、別の考え方も必要になりますので、まずは単勝、馬連、ワイド、三連複のように「裏目」が存在しない馬券で、この考え方に慣れてみましょう。

最後に各券種ごとの平均配当と、頭数別のボックス点数表をつけます。
必要な買い目の点数と平均配当を見ながら、損益分岐点を探ってみてください。

160億儲けたUPROの手法

2009年に国税局から所得もれ(営業所得ではなく一時所得と判断)を指摘され、指摘までの間に約160億円を競馬で稼いだUPROという会社があります。この会社が何者かは、Google先生に聞けば出てきますので、今回の記事に絡んだお話だけをします。

UPROはコンピューターを使った予想法ですが、天候や血統などさまざまなデータを分析し、競馬予想をしました。彼らの予想法ばかりに目が行きますが、馬券の組み立て方にも大きな特徴があります。今回ご紹介した全通り買いに近い方法をとっています。

彼らは「馬券を削る予想戦略」を取り、データから完全に消していい馬を選別し、買い目を削る作業を行っていました。また、資金配分にも工夫を凝らし、結果的に160億円という利益を得ました。

なお、以下の表は2011年1月~2021年12月末までの10年間の平均配当です。

単勝

頭数点数平均配当分岐点数シェア
9頭9689666.7%
10頭10733770.0%
11頭11804872.7%
12頭12883866.7%
13頭13943969.2%
14頭141,0091071.4%
15頭151,0781066.7%
16頭161,1691168.8%
17頭171,3761376.5%
18頭181,2281266.7%
表3.単勝の平均配当と全通り買い点数

枠連

頭数点数平均配当分岐点数シェア
9頭291,7361758.6%
10頭301,9231963.3%
11頭311,8531858.1%
12頭322,0172062.5%
13頭332,0152060.6%
14頭342,1092161.8%
15頭352,2432262.9%
16頭362,2602261.1%
17頭362,2772261.1%
18頭362,1822158.3%
表4.枠連の平均配当と全通り買い点数

馬連

頭数点数平均配当分岐点数シェア
9頭362,0942055.6%
10頭452,6942657.8%
11頭553,1743156.4%
12頭664,0724060.6%
13頭784,9634962.8%
14頭915,3205358.2%
15頭1056,5986561.9%
16頭1207,1157159.2%
17頭1369,1789166.9%
18頭1538,3828354.2%
表5.馬連の平均配当と全通り買い点数

ワイド

頭数点数平均配当分岐点数シェア
9頭36747719.4%
10頭45946920.0%
11頭551,1501120.0%
12頭661,4051421.2%
13頭781,6001620.5%
14頭911,8501819.8%
15頭1052,1322120.0%
16頭1202,4092420.0%
17頭1362,7882719.9%
18頭1532,8852818.3%
表6.ワイドの平均配当と全通り買い点数

馬単

頭数点数平均配当分岐点数シェア
9頭724,2524258.3%
10頭905,4385460.0%
11頭1106,3876357.3%
12頭1328,0148060.6%
13頭1569,9449963.5%
14頭18210,57910557.7%
15頭21013,20013262.9%
16頭24014,15714158.8%
17頭27217,82217865.4%
18頭30616,89316854.9%
表7.馬単の平均配当と全通り買い点数

三連複

頭数点数平均配当分岐点数シェア
9頭844,3654351.2%
10頭1206,3236352.5%
11頭1659,1109155.2%
12頭22012,93212958.6%
13頭28615,65115654.5%
14頭36419,89919854.4%
15頭45525,33425355.6%
16頭56029,99629953.4%
17頭68039,13239157.5%
18頭81641,67641651.0%
表8.三連複の平均配当と全通り買い点数

三連単

頭数点数平均配当分岐点数シェア
9頭50429,96129959.3%
10頭72040,21840255.8%
11頭99057,03357057.6%
12頭1,32080,70280761.1%
13頭1,716100,5731,00558.6%
14頭2,184120,6921,20655.2%
15頭2,730158,2091,58257.9%
16頭3,360187,6101,87655.8%
17頭4,080282,3092,82369.2%
18頭4,896255,8012,55852.2%
表9.三連単の平均配当と全通り買い点数

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。


競馬は全通り買いをすれば必ず当たりますが、儲けを出すために買い目を削る作業が必要になります。その時、この券種の馬券を購入するには、最低いくら必要で、期待できる利益(平均配当)はどのくらいかを意識できると、競馬予想へのスタンスが変わります。

是非、この記事の考え方を参考に、あなたの競馬ライフをより良いものにしてください。

この記事のポイント
  • 競馬は「全部買えば必ず当たる」。ただし、儲からない
  • 全通り買いで利益を出すには「払戻額>購入額を狙う」、「利益になりそうなレースを狙う」の2つの戦略がある
  • 競馬で利益を出すには、いかに買い目を削るか
  • ただし、多くの人は「買い目を削る」のではなく「買い目を加える」作業をしている
  • 的中させつつ利益を出すには、自分の購入馬券の点数と、損益分岐点を見つける
  • 不必要に買い目を削るのではなく、的中に必要な買い目点数を意識する