異常オッズとはなにか?
異常オッズは、単純に言えば、通常の馬券の売れ方とは異なる「過剰な投票」や「異常な投票」によって発生したオッズ異常のことを指します。
つまり、一時的、突発的に馬券が売れている状態を指します。
これが常に売れ続けているのが人気サイド馬券であり、1番人気は常に売れ続けているので、1番人気になっているのです。
さて、異常オッズのイメージは理解していただけたと思いますが、問題は誰が異常オッズを引き起こしているかです。
「過剰な投票」や「異常な投票」を検知するのが、異常オッズを使ったオッズ競馬ですが、すべての異常オッズが馬券につながるわけではありません。
上の図は、2019年1月6日 中山11R 「ポルックスステークス」の時系列オッズ分析画面です。締め切り25分前からグリーンチャンネルのパドック推奨馬(GC推奨)に異常オッズが入っています。
推奨1番手は一番馬番の色の濃い6番ですが、これは1番人気です。
人気薄の5番と10番は、それまでの馬券の売れ方と明らかに異なる異常オッズが見られます。しかし、結果は9着と7着であり、的中馬券にはつながりませんでした。
グルーンチャンネルは、JRAの関連会社がやっている競馬と農業の番組で、スカパーなどで全レースを見られるので、ご存知の方も多いと思います(競馬場の公式映像もグリーンチャンネルです)。
パドック推奨馬は、どの競馬番組でもパドック周回からよく見える馬を推奨する仕組みですが、グリーンチャンネルは全レースの推奨をしているため、実際に参考にしている人が意外にいるものです。
グリーンチャンネルの推奨が入ると、一定の異常オッズが入ります。
そして、GC推奨馬は、本物の異常オッズと区別されています。
それ以外にも、G1レースの競馬中継で、解説者が上げた馬が異常を引き起こすこともありますが、これらは「偽異常馬」と呼ばれています。
結論から言うと、関係者情報を元にした「インサイダー」が引き起こしているのが、本物の異常オッズです。
関係者とは、調教師や厩務員など実際の馬に接している人間のことを指し、彼ら自身、もしくは関係者情報を得た第3者による投票を異常オッズといいます。
そして、単なる異常オッズと区別するために、「インサイダー投票」と呼ぶこともありますが、ふつうは異常オッズといえばインサイダー投票を指します。
ただ、皆さんもご存知のように、競馬関係者は馬券を購入することができません。もし、馬券を購入するとそこに八百長が紛れ込む可能性があり、競馬法で禁止されています。
しかし、合法的にインサイダー情報を駆使できる存在が、関係者の中にいるのです。それが馬主です。
馬主は、競馬関係者の中で唯一、合法的に馬券を買うことのできる存在です。そして、馬主は単なるお金持ちではなく、「競馬好き」のお金持ちですから、馬券にも興味はあります。
馬主にもいろいろいますが、馬主を投資として考えている人はほぼ皆無です。
たしかに、所有馬がG1レースをバンバン勝てば、高額な賞金が得られます。それだけでなく、実績を残して繁殖入りすれば、高額な種付け料が得られるチャンスもあります。
それでも、馬主はギャンブルです。
高額な馬が必ずしも名馬ではなく、下手をすると1勝もせずに引退することもあります。また、落札価格が安いにもかかわらず、G1を何勝もする名馬が生まれることがあります。
それゆえ、ステータスとして、それ以上に趣味として馬主を続けている人がほとんどです。
競馬ファンの頂点ともいえる存在である馬主は、自分も当然馬券を買います。一般ファンのようにレースを検討して買うこともありますが、自分や仲間の所有馬の所属厩舎から勝負度合いや、関係者情報ともいえる情報を得られることもあります。
ほぼ100%といえる情報を得ている人もいれば、半々といえる情報を得ている人もいます。しかし、一般競馬ファンがふれるよりもはるかに信頼度の高い情報を得ていることは確かです。これが「インサイダー投票」と呼ばれている異常オッズの正体です。
- どのレースでも発生しやすい異常投票は、「グリーンチャンネル推奨馬」
- 関係者情報に基づく投票が「インサイダー投票」
- インサイダー投票は、馬主が起こしている