少頭数は荒れない!? のウソホント

 あなたは 次の様な声を聞いたことがあるだろうか?

  • 小頭数のレースは荒れないから穴党の私には面白くない
  • 小頭数が予想外に荒れるのにはからくりがある
    「小頭数は「レース買い」といって意識的に調教師が打合せをして
    高配当なレースをしくんでいるんだ。小頭数は打合せがしやすいからね」
  • 小頭数が多少荒れるのは競馬ファンを喜ばせるためにJRAがしくんでいるのさ

さて、シンドロームでは競馬を次の3つの視点でとらえている。

(1)インサイダー検知の視点
(2)分布論(ひずみ論)の視点
(3)競馬システムの年間サイクル論の視点

 今回は「分布論」の視点から「少頭数に対するウソホント」を一刀両断にしてみたい。

まず、解析データの元データを示しておく。

三連単全レース発売のデータ

上のデータは三連単が全日発売となってから、2012年3月末までの全レースを対象とし、1着になった馬のデータだけを抽出している。

荒れる・荒れない……ポイントを知っておこう

 さて、そのレースが波乱になるか堅く収まるかについて、とっても大切なポイントがある。それは…

人気薄が走ると波乱になるという見方を卒業する

 レースの波乱度(堅く収まるか、波乱になるか)について研究した人はわかっていることだが、レースが波乱になるかどうかは、「頭数が大きな要素」となる。
  したがって多頭数と小頭数では平均配当が大きく異なる。これは周知の事実だ。それを前提とした上で、あえて言おう。

 高配当の馬券が出るのは、「人気薄の馬が走るから」という見方は分布論的には不適切である。

 あなたが違和感を感じたなら、そこに大きな落とし穴がある。馬券の配当はご存じの通り、売上からテラ銭25%を除いた残りの金額を、馬券的中者で山分けする。だから、的中人数(的中票数)の少ない馬券は高配当となる。つまり、「人気薄が走ると高配当になる」というのは実は正しい。

  しかし、あえて「それは不適切」と書いたのには理由がある。それは…

「人気薄=高配当」という感覚では小頭数に発生する高配当馬券がイメージ出来ない。同じ7番人気の馬が来たレースでも、18頭立てと9頭立てでは大きく異る。高配当馬券は人気を被った馬が着外になった時に発生する。
 具体例をあげて説明する。

上位がかぶったレースで、高配当が出た例 (2011/12/3 阪神6R 10頭立て)

上位に票が集中したレース

※三連複 1-3-5 55,3300円 / 三連単 3-5-1 598,410円

 このレースは、1番人気10番(馬連得票率28.1%)と、2番人気6番(馬連得票率26.0%)の馬が着外になり、8−7−4番人気の決着で、三連単598,410円になった。

 1,2番人気の馬は、馬連得票率28.1%と26.0%の馬が着外になったため、この2頭がからんだ馬券−総売上の54.1%に相当する馬券が紙くずとなった。人気を集めた2頭が飛ぶことで、売上の54.1%を占める馬券は配当を受け取る権利を消滅させた。

 「馬連得票率」は、馬連馬券でその馬が絡んだ馬券が、売上に占める占有率である。TARGETではシェアと表現している。馬券の占有率(得票率)で考えると、競馬の配当のメカニズムがわかってくる。
 小頭数のレースは、得票率の集中度が激しいため、まとめて飛ぶ可能性もかなり高い。

結論

馬券にならない馬の得票率が配当の高さを決める

小頭数で、高配当馬券が発生する事実

 では、少頭数レースにおける、人気サイドが飛ぶ場合のデータを示そう。

 三連単馬券 10万以上の高配当レースのデータを、15頭立て以上と12頭立てで比較してみた。次の図を見てもらいたい。

10万以上の高配当発生レース (12頭立て)

100万馬券異常発生レース 18頭立て

10万以上の高配当発生レース (15頭以上)

  小頭数レースでも、十分高配当馬券が出ることがわかる。それでも多頭数レースは少頭数に比べて、平均配当が2.8倍も高いと主張したい人には次の点を考えてもらいたい。

 18頭立てレースの三連単馬券の購入点数は5000点弱、12頭立ては1300点程度。買い目点数が違う。それでいて、小頭数レースは上位人気が飛ぶと高配当になりやすい。30%以上が10万以上、50%以上が5万馬券であるという事実をどう考えるだろうか。

12頭以下で1,2番人気が飛んだ三連単配当分布

12頭以下で1,2番人気が飛んだ三連単配当分布

15頭以下で1,2番人気が飛んだ三連単配当分布

16頭以下で1,2番人気が飛んだ三連単配当分布

 1番人気が馬券にならないレースはおよそ1/3。そして、1人気が馬券にならなかった時に2人気以下を全点購入すると、単勝回収率がほぼ100%になる。

 参考だが、人気上位2頭が飛んだ場合、60%以上が三連単は10万馬券となる。ちなみに12頭立てで上位2頭を除外した残り10頭での三連単購入点数は720点である。


 1人気が飛んだ場合の回収率は、小頭数の方が高い。知っている人には当たり前の事実だが、「小頭数は1人気が被っているレースが多い」ためだ。

結論

小頭数は人気馬が飛んだら高配当。異常馬発生の時の購入点数は少なくていい

目次ページに戻る