クラブ馬主とインサイダー

  馬主にはいくつの形態があります。社台やダーレージャパンのように大きな組織が馬主になるケース、個人が馬主になるケースと様々です。なかでもちょっと特殊なのがシルクやシチーに代表されるクラブ馬主です。 クラブ馬主は法人が代表として馬主になりますが、実際の競走馬のオーナーは一口いくらの出資金を出した個人になります。
 以前はクラブ馬主は、その他の馬主とは異なる待遇を受け、一部では「クラシックでは絶対に勝たせてもらえない」とも言われていました(しかし、昨今の不況で対応を変えてきているようです)。

 待遇はともかくとして、異常オッズで競馬をするものはクラブ馬主のもうひとつの特性を知っておく必要があります。馬主になる人は競馬好きの人が多いですが、クラブ馬主のオーナーたる一口馬主は類に漏れず競馬好きです。1頭のクラブ馬の口数は500口程度ですから、すべてが売り切れていれば500人のオーナーがいることになります。彼らは自分の馬が出走してくると、応援馬券を購入していました。これがオッズに現れ、人気薄にもかかわらず、締め切りの数十分前から妙な売れ方をしたものです。
応援馬券は競馬の楽しみのひとつですから、良いことだと思います。ただし、オッズで競馬をする場合は、この応援馬券はノイズに過ぎないので、クラブ馬が作るオッズ異常を「偽異常の典型」と呼び、注意を促してきた経過があります。

 さて、時代は変わり、平成大不況、格差社会が叫ばれる今日になると状況が一変します。古くからの馬主も不況で競走馬が買えなくなり、G1戦線をにぎわせる馬主もずいぶんと様変わりしました。
調教師にとっても、一個人の経済状況に左右されずに確実に収入となるクラブ馬主の存在は貴重になり、JRAにとっても厩舎にとっても以前よりも存在感が増してきました。

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