食いものにされる馬主

 馬主は関係者に近い位置にいながら、厩舎関係者のようにJRAから保護された存在ではありません。確かに馬主を優遇する制度はありますが、JRAにとって身内ではなく、あくまでもお客様なのです。
 厩舎にとっても馬主は大事なお客様です。競馬法で調教師本人が競走馬を所有することはできなくなっています。厩舎は競走馬を調教してレースに出走させることが主な仕事ですが、自分たちで所有できない以上、別に競走馬を所有してくれる人を探す必要があります。

馬主が不遇な理由

 馬主は厩舎の重要な資金源です。その理由は預託金にあります。厩舎と馬主は競走馬を所有すると預託契約を結びます。一言で言うなら、「この馬を預かってね」という契約です。当然、タダで預かってくれるわけではないので、月々いくらと決められたお金を調教師に支払う必要があります。これが高いのです。
この辺の仕組みを調べるために、一口馬主になってみました。この時会費の他に月々1200円の管理費を取られました。この馬は500口なので月々60万円です。このお金は馬が牧場にいようと、トレセンにいようと一律必要になります。

馬主と預託料

 もちろん、放牧をしたりトレーニングセンターに滞在させたりすることもあるので、全額厩舎に入るわけではないと思いますが、単純計算で、1頭につき年間720万円の費用が必要です。20馬房あればこれだけで1億4400万円の収入になります。これは厩舎にとって大きな収入源です。

 最近では勝率により馬房数が増減されるようになりましたが、それでも馬房数に限りがあることには変わりません。藤沢厩舎に入れたいと思っても、馬房に空きがなければ入厩できないのです。
馬主は保護されてませんので、財力が続かなくなった時点で干されてしまいます。

 馬主は競馬が好きだから馬主をやっているのですが、投資として考えている人はほとんどいないでしょう。リスクが高すぎます。そしてほとんどのリスクは馬主ひとりが取っています。

 厩舎関係者は、競馬好きの馬主にそっと情報を流すのです。馬主がとっているリスクに比べればささやかなものですが、馬主へのサービスなのでしょう。しかも馬主は馬券を公然と買える立場ですから、人気薄でもどかんと馬券を購入します。それは当然「オッズ」として現れます。

 大事なところなのでくり返します。「どんなに丸秘の関係者情報も馬券を買った瞬間にオッズに現れます」

しかし、馬券を購入すればそれはオッズに現れます。

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